航空事故調査及び報告等に関する訓令(昭和30年防衛庁訓令第35号)第12条の規定に基づき、航空事故の調査及び報告に関する達を次のように定める。
航空事故の調査及び報告に関する達(登録報告)
航空事故の調査及び報告に関する達(昭和57年航空自衛隊達第29号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この達は、航空自衛隊における航空事故の調査及び報告に関して必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この達において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 航空事故 航空事故調査及び報告等に関する訓令(以下「訓令」という。)第2条に規定する航空事故の範囲の事故をいう。
(2) 現地調査 航空事故の調査のうち、航空事故に係る情報及び資料を収集し、整理し、及び評価する活動をいう。
(3) 部隊等 編制部隊及び機関をいう。
(4) 事故発生部隊等 航空事故の発生した航空機(以下「事故機」という。)の機長を指名した部隊等をいう。
(5) 航空機保有部隊等 航空機を装備する部隊等をいう。
(6) 損害見積価格 損壊前の状態に復するために必要と見込まれる経費に残存率(航空自衛隊所属国有財産(航空機) 取扱規則(昭和43年航空自衛隊達第13号)別表第4に規定する残存率をいう。)を乗じた額をいう。
(航空機の損壊の程度)
第3条 航空事故による航空機の損壊の程度の判定は、訓令第2条の3の規定によるほか、次の各号に掲げるところにより、事故機が配属されている部隊等の長が行うものとする。
(1) 次に掲げる物の一つが修理不能の損壊又は修理可能であるが外注修理を必要とする損壊は、訓令第2条の3第2号に掲げる「大破」とする。
ア 主翼(翼端部、翼前縁部、補助翼、スポイラー及びフラップを除く。)
イ 胴体(スピードブレーキ、レドーム、フイン、扉、窓、ハッチ、点検口がい及びキャノピーを除く。)
ウ ヘリコプターの主ローターヘッド部
エ エンジンナセル(着脱可能のドアパネル及びカウルを除く。)
(2) 次に掲げる物の一つが修理不能の損壊若しくは修理可能であるが外注修理を必要とする損壊又は前号に掲げる物の一つが補給処整備を必要とする損壊は、訓令第2条の3第3号に掲げる「中破」とする。
ア プロペラ
イ 降着装置(車輪、ブレーキ、タイヤ及び扉を除く。)
ウ 垂直安定板
エ 水平安定板(動翼を兼ねるものを含む。)
オ ヘリコプターの主ローターブレード
カ カナード翼
2 次の各号に掲げる場合には、訓令第2条第1項第1号に掲げる「航空機の損壊」から除く。
(1) 訓令第2条の3第4号に掲げる「小破」で、その損害見積価格が500万円を超えない場合
(2) 補助燃料タンク、ターゲット、ドラッグシュート及び爆弾等の航空機の飛行には必ずしも必要でない外部携行器材又は装置器材が損失若しくは損壊した場合
(3) エンジン内部の故障によりエンジンが損壊した場合
(物件の損壊範囲)
第4条 自衛隊が所有し、又は使用する物件の損壊で、当該物件の損害見積価格が50万円を超えない損壊は、訓令第2条第1項第2号に掲げる「物件の損壊」から除く。
(その他の事故)
第5条 訓令第2条の4第4号に掲げる「その他の事故」を次のとおり区分する。
(1) 軽事故 軽傷又は小破を伴つたもの
(2) 特殊事故 前号以外のもの
(事故発生時の処置)
第6条 事故発生部隊等の長又は事故現場の最寄りの部隊等の長は、訓令第2条第1項第1号及び第2号に掲げる航空事故が発生した場合においては、訓令第3条の規定により処置するほか、現地調査が開始されるまでの間、航空事故の目撃者及び事故関係者の証言の聴取、残がい分布図の作成、事故現場の写真の撮影、事故関係通信内容の整理その他航空事故の調査に必要な情報及び資料の収集に努めるものとする。
2 航空自衛隊事故速報規則(昭和60年航空自衛隊達第15号)第3条各号に掲げる事故速報の責任者は、航空事故の速報を行うに当たり、次の各号に掲げる部隊及び機関の長に通知するものとする。
(1) 航空警戒管制団司令
(2) 防空管制群司令
(3) 警戒群司令
(4) 警戒隊長
(5) 航空警戒管制隊司令
(6) 航空保安管制群司令
(7) 航空気象群司令
(8) 航空救難団全部隊長
(9) 航空安全管理隊司令
(10) 航空医学実験隊司令
(11) 幹部学校長
(12) 幹部候補生学校長
(13) 航空機保有部隊等の長並びに当該部隊等の長を指揮監督する部隊及び機関の長
(事故機及び事故現場の保存等)
第7条 前条第1項に規定する部隊等の長から、現場に派遣を命ぜられた者のうちの先任者(以下「事故現場指揮官」という。)は、第9条に規定する主任調査官又は第15条に規定する事故発生部隊等の長が必要とする間、事故機及び事故現場を保存するものとする。
2 事故現場指揮官は、前項の規定にかかわらず、事故機及び事故現場を保存することが、他に危害を及ぼすおそれがあると認める場合、又は他に著しく障害となるおそれがあると認める場合には速やかに必要な処置をとるものとする。この場合、事故現場指揮官は、極力現地調査に支障をきたさないよう処置するものとする。
(航空事故調査委員会の設置)
第8条 訓令第5条第1項の規定に基づき、航空幕僚監部に航空事故調査委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(委員会の組織)
第9条 委員会は、委員長、委員、主任調査官、調査官及び専門調査官をもつて組織する。
2 委員長は、航空幕僚監部監理監察官の職にある隊員をもつて充てる。
3 委員は、次の各号に掲げる職にある隊員をもつて充てる。
(1) 航空幕僚監部人事教育部教育課長
(2) 航空幕僚監部防衛部防衛課長
(3) 航空幕僚監部運用支援・情報部運用支援課長
(4) 航空幕僚監部装備部整備課長
(5) 航空幕僚監部技術部技術課長
(6) 航空幕僚監部監察官
(7) 航空幕僚監部次席衛生官
(8) 航空安全管理隊航空事故調査部長
4 主任調査官及び調査官は、航空安全管理隊司令が指名する航空安全管理隊の隊員をもつて充てる。
5 専門調査官は、必要に応じて、航空幕僚長が指名する航空自衛隊の隊員をもつて充てる。
(委員長、委員、主任調査官、調査官及び専門調査官の職務)
第10条 委員長は、委員会の会務の運営を総括する。
2 委員は、委員会の議事に参加する。
3 主任調査官は、現地調査を行い、現地調査書を作成して委員長に提出する。
4 調査官は、主任調査官の指示に従って、現地調査及び現地調査書の作成について、主任調査官を補佐する。
5 専門調査官は、委員長の示す専門的事項の調査を行うほか、現地調査書の作成について、主任調査官に協力する。
6 委員会の構成員が事故機又は事故に関係する航空機の乗組員である場合には、当該事故についての事故調査の職務の従事から除外するものとする。
7 委員長が不在の場合又は委員長が前項の規定により職務の従事から除外された場合の処置については、その都度別に示す。
(現地調査等に対する航空安全管理隊の支援業務)
第11条 航空安全管理隊司令は、航空幕僚長から現地調査等に対する支援の実施を命じられた場合、次の各号に掲げる業務を行うものとする。
(1) 第9条第4項に規定する隊員の指名及び委員長に対する通知
(2) 現地調査書の作成に関すること。
(3) その他現地調査等に必要な事項
(委員会の運営)
第12条 委員長は、航空事故の調査に関して委員会を招集する。
2 委員会は、現地調査書に基づき、調査の内容、原因の決定及び事故防止方法に関する意見について審議するものとする。
3 委員長は、主任調査官その他の必要と認める隊員を委員会に出席させて、意見を述べさせることができる。
4 委員会の庶務は、航空幕僚監部副監察官が行うものとする。
5 委員は、部下職員のうち適当と認める者を指名して審議の準備等に関し、補佐させることができる。
(現地調査の特例)
第13条 第10条第3項に規定する主任調査官の担任によりがたいと航空幕僚長が認めた航空事故の現地調査については、その都度別に示す。
(航空事故調査報告書の提出)
第14条 委員長は、委員会の審議を経て別紙様式第1に定める航空事故調査報告書を作成し、関係する調査資料を添えて、航空事故発生の日から90日以内に航空幕僚長に提出するものとする。
(小規模の事故の場合の特例)
第15条 訓令第2条の4第3号に規定する「小事故」又は同条第4号に規定する「その他の事故」に該当する航空事故の事故発生部隊等の長は、当該航空事故の調査を行うものとする。ただし、航空幕僚長が委員会による航空事故の調査を必要と認める場合は、この限りでない。
2 前項の規定により、航空事故の調査を行った事故発生部隊等の長は、前条の規定に準じて航空事故発生の日から60日以内に航空幕僚長(監理監察官気付)に報告するものとする(20−X20−AR(C−3))。
(航空事故調査結果の通知及び航空事故防止対策報告)
第16条 航空幕僚長は、航空事故の調査結果について、第6条第2項第1号、第4号から第9号まで及び第12号に掲げる部隊及び機関の長に通知するものとする。
2 航空警戒管制団司令、航空警戒管制隊司令、航空保安管制群司令、航空気象群司令及び航空機保有部隊等の長は、前項の調査結果の通知のうち、事故防止方法に関する意見の該当事項について、航空事故防止対策実施状況を別紙様式第2により、当該通知受領の日から40日以内に上級部隊等の長を経由して、航空幕僚長(監理監察官気付)に報告するものとする。(20−X22−AR(D))。
(部隊等の長が行う協力及び支援)
第17条 事故発生部隊等の長その他の部隊等の長は、委員会の行う現地調査に対する協力並びに関係する情報及び資料の提供を行うほか、委員長から要求があつた場合には、人員及び器材の提供等必要な支援を行うものとする。
(隊員の協力)
第18条 航空事故に関係する隊員及び航空事故を目撃した隊員は、委員会が行う航空事故の調査に関し、協力するものとする。
(航空事故調査報告書等の使用制限)
第19条 航空事故調査報告書及び調査資料は、航空事故の再発防止のために使用することを目的とし、隊員の勤務状況を判定する資料及び懲戒処分の証拠等に使用してはならない。
(航空事故調査報告書の保存期間)
第20条 航空事故調査報告書の保存期間は、特に示す場合のほか、5年とする。
(航空事故調査報告書等の閲覧)
第21条 委員長は、航空事故の調査内容について、航空機製造関係会社の代表者から説明を求められた場合には、航空幕僚長の承認を得て、航空事故調査報告書並びに調査資料のうち、当該会社に関連のある器材及び技術に関する資料を閲覧させることができる。
(委任規定)
第22条 この達に定めるもののほか、この達の実施に関して必要な事項は、部隊等の長が定めるものとする。
附 則
1 この達は、昭和60年10月9日から施行する。
2 航空自衛隊所属国有財産(航空機)取扱規則(昭和43年航空自衛隊達第13号)の一部を次のように改正する。
第30条第1項中「航空事故及び地上事故の調査及び報告に関する達(昭和46年航空自衛隊達第9号)」を「航空事故調査及び報告等に関する訓令(昭和30年防衛庁訓令第35号)」に改める。
3 地上事故の調査及び報告に関する達(昭和57年航空自衛隊達第30号)の一部を次のように改正する。
第3条第1項中「航空事故の調査及び報告に関する達(昭和57年航空自衛隊達第29号)」を「航空事故の調査及び報告に関する達(昭和60年航空自衛隊達第25号)」に改める。
4 航空自衛隊安全管理規則(昭和60年航空自衛隊達第11号)の一部を次のように改正する。
第10条第1項中「航空事故の調査及び報告に関する達(昭和57年航空自衛隊達第29号)第14条及び第15条の規定に基づき提出」を「航空事故の調査及び報告に関する達(昭和60年航空自衛隊達第25号)第14条及び第15条の規定に基づき、提出及び報告」に改める。
附 則(昭和62年5月21日航空自衛隊達第24号)
1 この達は、昭和62年5月21日から施行する。
2 この達施行の際、現に作成されている従前の規定による様式の用紙は、残存部数に限り所要の修正をして使用することができる。
附 則(昭和63年4月8日航空自衛隊達第11号)
この達は、昭和63年4月8日から施行する。
附 則(平成元年2月28日航空自衛隊達第4号抄)
1 この達は、平成元年2月28日から施行する。
附 則(平成元年3月16日航空自衛隊達第25号)
この達は、平成元年3月16日から施行する。
附 則(平成4年4月3日航空自衛隊達第14号)
この達は、平成4年4月3日から施行する。
附 則(平成5年8月12日航空自衛隊達第29号)
この達は、平成5年9月1日から施行する。
附 則(平成12年3月30日航空自衛隊達第21号)
この達は、平成12年3月31日から施行する。
附 則(平成13年6月15日航空自衛隊達第27号)
この達は、平成13年6月15日から施行する。
附 則(平成15年3月26日航空自衛隊達第8号抄)
この達は、平成15年3月27日から施行する。